承認足止めの減量薬にうつ病や不安のリスク

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減量薬rimonabant(リモナバント)の使用によって、重症のうつ病および不安のリスクが高まるという研究結果が、英医学誌「The Lancet」11月17日号で報告された。

同薬の精神医学的有害作用の発生率や重症度についてはこれまでも議論されてきたが、服用中止につながるような重度の精神医学的症状の発生率に関する評価は今回が初めて。デンマーク、コペンハーゲン大学精神医学部長のArne Astrup博士らは、今回の研究で、rimonabant(1日20mg)とプラセボを比較した4つの臨床研究における被験者4,100人以上のデータを収集し、メタ解析を行った。

その結果、rimonabant投与群ではプラセボ群に比べて年間約15ポンド(約6.8kg)の体重減少が認められたものの、有害反応の発生率も40%高かった。これらの臨床試験では、抑うつ症状のある患者は対象とはなっていなかったにもかかわらず、rimonabant投与群のうつ病による服用中止率はプラセボ群の2.5倍、不安による中止率は3倍であった。

今年(2007年)6月に米国食品医薬品局(FDA)諮問委員会は、同薬が自殺念慮(ねんりょ)のリスクを増大させる懸念があるとして、肥満治療薬としての承認を否決している。製造元の仏サノフィ・アベンティス社は「適切な患者で使用すればリスクよりも便益が上回る」としているが、Astrup氏らは、FDAの知見も踏まえ、重度の精神医学的有害反応が起きる可能性に注意を払うよう医師に警告している。

共同研究者のオーストラリア、ニューサウスウェールズ大学(シドニー)精神医学部長のPhilip Mitchell博士は、過体重や肥満の人でうつ病の発症率が高く、治療前でもそのリスクが高いことを指摘し、「うつの症状がある場合にはrimonabantでなく別の減量薬を検討すべき。使用する場合は、うつ症状や自殺念慮の出現を慎重に観察する必要がある」と述べている。

カナダ、アルバータ大学(エドモントン)のRaj Padwal博士は、医師や患者が気分障害のリスクを認識する必要性を訴えるとともに「心臓発作や脳卒中、睡眠時無呼吸や死亡など肥満に関連する重大な併存症が確実に減少するという同薬の長期的なデータが必要」と述べ、また、英ブリストル大学のGareth Williams博士は、減量薬の市販化で肥満を脱するための健康な生活に対する努力が軽視される可能性を懸念している。
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